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2026/08/29

自己肯定感について

 

「自己肯定感を高めましょう」「自分を愛しましょう」という言葉は、今の世の中に溢れかえています。書店に行けばハウツー本が並び、SNSではポジティブな言葉が流れてくる。けれど、その言葉を見れば見るほど、「それができないから苦しいのに」と、かえって胸が締めつけられることはないでしょうか。

自己肯定感とは、本来、無理やり奮い立たせるものでも、自分を褒めちぎることで手に入るものでもありません。

心が疲れていたり、過去の傷を抱えていたりするとき、自分の良いところを見つけるなんて至難の業です。鏡に映る自分を直視するのも億劫な日に、「自己肯定感を高めよう」と意気込むのは、骨折している足で走ろうとするようなもの。痛みが悪化するだけで、何も良いことはありません。

だからこそ、調子が悪いときには、「自己肯定感を高める」という呪いを、一度そっと手放してみませんか。

その代わりに提案したいのが、「自己受容(じゅよう)」という、もう少しだけ低いハードルです。

自己受容とは、「今の自分を好きになれなくてもいいから、そのままの状態で一旦よしとする」ことです。 「今日もうまくできなかったな」「また人と比べて落ち込んでしまったな」というダメな自分、情けない自分、泥だらけの自分を、「まあ、今の私ってこういう状態だよね」と、ただ実況中継するように受け止める。そこに「でも頑張ろう」というポジティブな変換すら挟まなくていいのです。

植物を思い浮かべてみてください。冬の寒さに耐えている木は、「早く葉を出さなきゃ」「花を咲かせなきゃ」と自分を焦らせたりはしません。ただじっと幹にエネルギーを蓄え、春が来るのを待っています。私たち人間も同じで、いつでも青々と茂っている必要なんてありません。

自己肯定感という高い山に登れなくていい。 今日はただ、谷底で小さくなっている自分の隣に座り、「寒いね」「しんどいね」と、自分自身が一番の理解者になってあげる。

自分のすべてを愛せなくても、今日一日をどうにか生き延びたその事実だけは、否定せずにそっと抱きしめてあげる。それだけで、乾ききった心には、ほんの少しだけ温かい水分が戻ってくるはずです。

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